いまから50年以上前、池田理代子が生み出した伝説的少女漫画『ベルサイユのばら』。 王妃マリー・アントワネットと、近衛連隊長オスカル。同い年のふたりの女性の激動の生涯を通して、フラン...
...謹賀新年
正月の朝、都内のホテルで朝焼けを眺めながら、テレンス・スタンプの言葉を思い出していた。 私は贅沢な放浪者(バガボンド)として、ホテル暮らしか友人の家の居候として生きています。 特別...
...Memories & Discoveries 24/12「キャロル・オブ・ザ・ベル」
待降節(Advent)第一主日は、 クリスマスの準備をはじめる日。 教会ではこの11月30日の「聖アンデレの日」に一番近い日曜日から、一週間に一本ずつ、蝋燭に火をともしていく。 1...
...Memories & Discoveries 24/10「ハープの世界」
劇場やコンサートホールで、ふいに響き渡ったハープの調べにはっとしたことがある。 私たちを一瞬で異世界に運び、天上の音楽を聴くような心持ちにさせてくれる音色。そして、美しい曲線を描く...
...Memories & Discoveries 24/08「ボレロ 永遠の旋律」
夏の終わりが近づくと、モーリス・ラヴェルの音楽が聴きたくなる。 たとえばピアノ協奏曲の第2楽章。4分の3拍子の静かなピアノ・ソロのあと、ふわりと登場するオーケストラ。繊細な弦の和声...
...HIT LIST 2024「海辺のポーリーヌ」
人生のどこかのタイミングで、ロメールの映画を観る時間は必要だ。 私にとっては15歳の夏だった。『海辺のポーリーヌ』の主人公に自分を重ね、どこを切り取っても絵になるフランスの暮らしに...
...Memories & Discoveries 24/05「イタリアへの旅」
紺碧の海と断崖に並ぶ家々、そして黄金の光にかすむ山々。 南イタリア、アマルフィ海岸。今も変わらぬ楽園を描いた画家は、22歳のフェリックス・メンデルスゾーンである。北方のドイツからこ...
...Memories & Discoveries 24/04 「クラシカロイドで朝食を」
この春、仙台フィルハーモニー管弦楽団と名指揮者・高関健の「進時代」の船出として、その名も「クラシカロイドコンサート」が実現した(3/20 日立システムズホール仙台 コンサートホール...
...Memories & Discoveries 24/02 「パリの思い出」
私にとってパリは、何度訪れても飽きない街である。 美しいオスマン建築の街並みに、大小の美術館、ストールをゆるく巻いて足早に歩く女性たち──それらをぼんやり眺めているだけで五感が刺激...
...Memories & Discoveries 24/01「バロックの淑気」
「淑気」とは冬の季語で、正月のめでたく厳かな気配のことをあらわす。 磨き上げた部屋で食事をしたり、人少なで静謐な街を初詣に歩いたり。「淑気」あふれる場面には、バロック音楽がよく似合...
...謹賀新年
故郷・新潟へ移住して、3年目の正月である。 めずらしく覗いた青空に浮き立ちながら海に祈り、姪や甥と和やかに過ごしていた午後、大地が大きく揺れた。 テレビの画面には「つなみ にげて」...
...Memories & Discoveries 23/10「CLASSICAL MAGIC vol.2」
この秋、早見沙織さんの全国ツアーファイナル公演にご招待いただいた。 すべてが素晴らしかったが、とくに哀切だった〈祝福〉の中で、ふいに流れたバッハには涙が止まらなくなった。主よ、人の...
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