カテゴリー: JOURNAL

故郷・新潟へ移住して、3年目の正月である。 めずらしく覗いた青空に浮き立ちながら海に祈り、姪や甥と和やかに過ごしていた午後、大地が大きく揺れた。 テレビの画面には「つなみ　にげて」...

ある夜、突然秋がやってきた。 永遠に終わらないように思えた夏がふいに消え去り、ふうん、と呟く。物事の終わりって、案外こんなものかもしれない。 気づけば白露の候で、すっかり日も短くな...

1998年の夏のことだった。パリのカルナヴァレ博物館で、私はフランツ・リストに出会った。 肖像画に描かれていたのは、28歳のリストだ。すらりと伸びた長身を黒衣に包み、金茶の髪が縁取...

謹賀新年 Bonne Année Buon Anno Nuovo   新潟より愛をこめて。まっさらな気持ちで、楽しみに満ちた新年を。 今年もよろしくお願いいたします。 2...

大晦日。記憶に残る年となった、2022年を振り返る。 6月に小説家としてのデビュー作『F ショパンとリスト』（集英社文庫）を出版した。 朝日新聞・日経新聞の書評欄ほか、多くの読書家...

二つの土地を往来しながら暮らすようになって、半年以上が過ぎた。 新潟の故郷の家は、海辺の高台にある。書斎の窓はオーシャンビューではないが、遠い山並みが美しい。冬は白鳥、夏はウミネコ...

2月は、源氏物語に明け暮れた。 源氏物語に登場する「香りと音楽」が暗示するのは、一体なんなのか。そんな対談の準備をするため、五十四帖や参考文献を読み返したのである。 源氏物語を再読...

謹賀新年 Bonne Année Buon Anno Nuovo 新雪を踏む音に、期待が高まる。まっさらな気持ちで、楽しみに満ちた新年を。   2022年元旦　高野麻衣...

リーディングシング『F ショパンとリスト』終演から2週間。先日「音楽」については解説したので、「物語」誕生の背景についても少しだけお話したい。 ふたりの「F」 前述のとおり、本作は...

計画した人生を手離す覚悟を持て この先に待っている人生のために ─────────────── We must let go of the life we have planned...

あけましておめでとうございます。 今年も日々笑顔で、幸運に感謝しつつ、美しい物語や暮らしをお届けします。 みなさんもどうか健やかで、楽しいことでいっぱいの年になりますように！ Au...

日経新聞 朝刊にて連載したコラム「ベートーヴェン頌」が最終回を迎えた。 生誕250年を迎えた大作曲家に、美術品を通じて迫る全10回。ラインナップは以下のとおり。 （1）ヨーゼフ・シ...