夏の終わりが近づくと、モーリス・ラヴェルの音楽が聴きたくなる。 たとえばピアノ協奏曲の第2楽章。4分の3拍子の静かなピアノ・ソロのあと、ふわりと登場するオーケストラ。繊細な弦の和声...
...Memories & Discoveries 24/05「イタリアへの旅」
紺碧の海と断崖に並ぶ家々、そして黄金の光にかすむ山々。 南イタリア、アマルフィ海岸。今も変わらぬ楽園を描いた画家は、22歳のフェリックス・メンデルスゾーンである。北方のドイツからこ...
...Memories & Discoveries 24/04 「クラシカロイドで朝食を」
この春、仙台フィルハーモニー管弦楽団と名指揮者・高関健の「進時代」の船出として、その名も「クラシカロイドコンサート」が実現した(3/20 日立システムズホール仙台 コンサートホール...
...Memories & Discoveries 24/02 「パリの思い出」
私にとってパリは、何度訪れても飽きない街である。 美しいオスマン建築の街並みに、大小の美術館、ストールをゆるく巻いて足早に歩く女性たち──それらをぼんやり眺めているだけで五感が刺激...
...Memories & Discoveries 24/01「バロックの淑気」
「淑気」とは冬の季語で、正月のめでたく厳かな気配のことをあらわす。 磨き上げた部屋で食事をしたり、人少なで静謐な街を初詣に歩いたり。「淑気」あふれる場面には、バロック音楽がよく似合...
...Memories & Discoveries 23/10「CLASSICAL MAGIC vol.2」
この秋、早見沙織さんの全国ツアーファイナル公演にご招待いただいた。 すべてが素晴らしかったが、とくに哀切だった〈祝福〉の中で、ふいに流れたバッハには涙が止まらなくなった。主よ、人の...
...Memories & Discoveries 23/08「エリザベート1878」
ハプスブルク帝国が最後の輝きを放った19世紀末、「シシィ」の愛称で親しまれ、ヨーロッパ宮廷一の美貌と謳われた皇妃エリザベート。彼女はなぜ、流浪の旅を続けたのだろう。 ずっと、それが...
...Memories & Discoveries 23/07「モーツァルトの光と影」
ラジオ収録の少し前、東京フィルハーモニー交響楽団の定期公演で、モーツァルトの協奏交響曲を聴いた。第1楽章、涙のまま駆け出すような上昇音型に心を掴まれ、やがて舞い降りた2台の音の輝き...
...Memories & Discoveries 23/05「アメリカン・プロジェクト」
生誕150周年を記念し、今年アメリカ各地でラフマニノフのピアノ協奏曲全曲演奏を成し遂げたユジャ・ワン。 カーネギーホールでは、ヤニック・ネゼ=セガン指揮フィラデルフィ...
...Memories & Discoveries 23/02「ルグラン、フォーエバー」
生誕90年を迎えたミシェル・ルグラン(Michel Legrand, 1932-2019)。 ルグランといえば、『シェルブールの雨傘』『ロシュフォールの恋人たち』などで知られるフラ...
...Memories & Discoveries 23/01「LOVE SONGS」
早見沙織さんとの楽しいおしゃべりでお届けする「クラシック・プレイリスト」。淑気に満ちた1月、今年最初のレコメンダ―を務めさせていただいた。 プレイリストに掲げたのは究極のテーマ、「...
...Memories & Discoveries 22/10「女王たちのアリア」
声優・早見沙織さんとの楽しいおしゃべりでお届けする「クラシック・プレイリスト」。 10月は、新国立劇場オペラの2022/23シーズン第一弾『ジュリオ・チェーザレ』をきっかけに、3つ...
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