1998年の夏のことだった。パリのカルナヴァレ博物館で、私はフランツ・リストに出会った。 肖像画に描かれていたのは、28歳のリストだ。すらりと伸びた長身を黒衣に包み、金茶の髪が縁取...
...謹賀新年
謹賀新年 Bonne Année Buon Anno Nuovo 大晦日。しんしんと降りしきる雪の中で、2025年を振り返りました。 山形市は隣県にもかかわらず、山を...
...書評『ベルリン・フィル』
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アドべントを迎える
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旅をめぐる3題──『フジコ・ヘミング 永遠の音色』『愚か者の身分』『旅と日々』
先週の小旅行以来、また旅について考えている。 今回は山形の大学での講義が目的で、旅はついでのつもりだった。ところが、はじめて訪れた街の空気──見たことのない空や稜線、知らない言葉の...
...Memories & Discoveries 25/10「東欧への旅」
歴史に心を奪われたきっかけは、東西ドイツの統一だった。 1989年の秋のこと。熱狂した人々がベルリンの壁を打ちこわし、抱き合い、歓喜を叫ぶニュース映像を見て、子どもながらに心が震え...
...Memories & Discoveries 25/09「秋の日のチェロ」
10月の声を聞くと突然、紅茶の味が恋しくなる。 すっかり夏の顔をしていた9月が終わりに近づき、朝晩が急に涼しくなって、肌掛けの上に毛布を添えたりする。そういう、秋のはじまりの儀式が...
...HIT LIST 2025 S/S「夏への扉」
猫のピートじゃないけれど、夏が好きで、夏のために冬を生きていると思うことがある。 朝起きると世界はすでに美しく、窓から吹き抜ける風はやわらかい。終業後に友達に会いに行くときも、海側...
...Memories & Discoveries 25/07「ピアノとワインと時々パリ」
何年かに一度、「今、この人の音を聴かなければ」と思わせる音楽家に出会う。 務川慧悟というピアニストを知ったのは、2017年のシャネル・ピグマリオン・デイズのときだったが、一昨年あた...
...Memories & Discoveries 25/06「岸辺露伴は動かない 懺悔室」
どうしようもなく旅に出たい気持ちになったとき、私の場合は映画を見る。 訪れたい街の景色。味わいたい空気や、音楽。それらを満たす映画は案外、現地人が撮ったものではなかったりする。旅人...
...Memories & Discoveries 25/05「トランペットの世界」
15歳の天才がいる。 児玉隼人。昨夏の日本管打楽器コンクールで史上最年少優勝を果たした、新進気鋭のトランペット奏者。5歳からコルネットを、9歳からは本格的にトランペットを吹き始め、...
...ヴェネツィア幻視行
2025年5月、noteにて旅行記の連載をスタートしました。訪れた都市や、出会った人のこと。私を形づくる大切な記憶の断片を、写真とエッセイで綴ります。 ヴェネツィア幻視行 http...
...Memories & Discoveries 25/04「花言葉をたずねて」
この2月、新国立劇場で愛するアレックス・オリエ版『カルメン』の再演に接した。 舞台は現代のフェス会場。歌姫カルメンはステージを「ハバネラ」で沸かし、一人きりの楽屋ではギターで「第3...
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