小野不由美「十二国記」の新作を読む。圧巻。 万民の前に君臨する王や麒麟というモチーフ、息を呑むようなアクションやカタルシスもないままに、どうしてこんなにも深く、感情を揺さぶる一編が...
...ポーの一族
雲が重苦しく空に低くかかった、もの憂い、暗い、寂寞とした秋の日を一日じゅう、私はただ一人馬にまたがって、妙にもの淋しい地方を通りすぎて行った。そして黄昏の影があたりに迫ってくるころ...
...仕事と私どっちが大事なの
……とかいう女にはジャーマンスープレックス。 関係性にちなんで、何度も書いている「ミツバ」のおはなし。 ミツバ編は、2006年に発表された銀魂の中編(第百二十九訓~第百三十二訓)。...
...薔薇園とナイチンゲール
花瓶の薔薇がそなたに何の役に立とう わが薔薇園から一葉を摘みとれ 薔薇の生命はわずかに五日か六日 わが薔薇園は永遠(とわ)に楽しい ――サアディ「薔薇とナイチンゲールとひよどり」 ...
...紅の豚派
銀魂アニメ148訓「チャックはゆっくり引きあげろ」予告。二週間にわたって繰り広げられる、土方と沖田の死のゲーム。おそろしい。いろんな意味でおそろしい。19話ぶりの登場が楽しみす...
...Victorian Dictionary~英国王室史①
昨夜の『シエル・ファントムハイヴの事件簿』『黒執事』は、歴史ヲタにはたまらないオリジナルストーリー。 第16話 「その執事、孤城」~あらすじ ファントムハイヴ家が所有するラドロウ城...
...Victorian Dictionary~英国四季暦
昨夜の『黒執事』が季節感たっぷりで愉しかったので、英国の昔ながらの暦をおさらい。 1月1日 New Years Day 1月6日 Twelfth Night (十二夜) /Epip...
...Victorian Dictionary~ダンディ
最近のわたしはいかなるときもヴィクトリアン・センサーを光らせている。 当然『伯爵と妖精』(集英社コバルト文庫刊)の動向は気にしている。『黒執事』と同じくヴィクトリア朝の英国を舞台と...
...Victorian Dictionary~執事
執事喫茶に『黒執事』、話題の新ドラマも『メイちゃんの執事』(フジテレビ)。 いわゆる“イケメン執事”のブームはとどまることを知らない。 彼らは、若く、美しく、紳士的にお嬢様(あるい...
...鏡写しのディーヴァ
伝記映画ばやりである。 現代を代表する監督や女優が、これまで語られることの少なかった女性作家や芸術家のリアルな生を描き出そうとする試みが目立つが、音楽家、とりわけオペラ歌手となると...
...“残酷な神が支配する”英国ツアー
これまで語ってきたとおり、わたしのなかのヴィクトリアンおよび英国のあらゆるイメージは、これまで接した書物や映画の蓄積だ。 なかでも大きな存在が、世界名作劇場とグラナダ版ホームズ、そ...
...夏空とボーイズライフ
今朝も空が青い。 梅雨の晴れ間のはずが、晴れ間ばかりである。 七夕やほおづき市のこの季節はいまでも、夏休み直前のように心が浮き立つ。 浴衣に合わせる帯止めを新調して、部屋にはリンド...
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