Victorian Dictionary~英国四季暦


昨夜の『黒執事』が季節感たっぷりで愉しかったので、英国の昔ながらの暦をおさらい。

1月1日 New Years Day
1月6日 Twelfth Night (十二夜) /Epiphany (公現節)

■フロスト・フェアー(氷上マーケット)
17世紀から18世紀にかけて、冬になるとテムズ川は頻繁に凍結した。
フロスト・フェアーは1607年が最初。凍った川の上にテントが並べられ、ボウリングやアイススケートなどの娯楽が市民に提供されたという。冬の平均気温が上昇したことから凍結がなくなり、1814年が最後となった。
『黒執事』では“80年ぶりの開催”とあることから、パラレル1894年の設定とわかる。ちなみに切り裂きジャック事件は、史実では1888年の出来事である。

テムズの凍結の有無には、1825年に建造された新しいロンドン橋が影響を及ぼしたともいわれている。新しい橋は古い橋に比べ橋脚の数が少なく、流れがスムーズで、冬の寒気が溜まるのを防いでいるとかいないとか。
劇中で恐ろしげに流れる童謡「ロンドン橋落ちた(London Bridge is Falling Down)」で有名なロンドン橋は、テムズ川にかかる橋。有名なタワーブリッジとキャノン・ストリート鉄道橋の間に位置する。
この橋の架かる位置には古くから、何度も橋が架けられては倒壊しており、その回数の多さは件の童謡からもうかがえる。

2月14日 St Valentine’s Day
3月1日 St David’s Day*1
3月17日 St Patrick’s Day*2
 春分以降の満月の後の最初の日曜日>>Easter(イースター/復活祭)
4月1日 April Fool’s Day
4月23日 St George’s Day*3
5月1日 May Day(メイ・デイ/五月祭)

■社交期
詳しくは前項のとおり。キャプはもちろん『理想の結婚』から。
6月下旬 Royal Ascot (競馬)やWimbledon Lawn Tennis Championshipsも、この“シーズン”の一環といえるだろう。

7月12日 Orangeman’s Day*4
10月31日 Halloween
11月9日 Guy Fawkes Night*5
11月30日 St Andrew’s Day*6
  11月26日以降、St Andrew’s Dayに最も近い日曜日>>Advent(待降節)
12月25日 Christmas(クリスマス/降誕祭)
12月26日 Boxing Day
12月31日 New Year’s Eve

ところでシエル・ファントムファイヴのお誕生日はいつ?*7
ファントムリングの謎もちらりと明かされたことだし、もうすぐ判明するはず。
――でもあれ、“ホープの欠片”って、ブルーカーバンクルだ。みたびホームズだ。
ありがとう、スッタフさん!!
エリザベスの侍女ポーラや、ゴスっ子の好きそうな手廻しオルガンにビスクドールまで出てきて、ますます目が離せない。
だってエリザベス人形ったら、『小公女セーラ』のエミリーみたい。

次週はオトクラにいらっしゃるお譲様の検索語トップ(?)、「黒執事 クラシック」について公開できたら嬉しい。

春初めてのカッコウを聞いて~英国の四季

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  *1 ウェールズの守護聖人、聖デイヴィッドを祝う日。 象徴であるらっぱ水仙や葱をつける人も。シェイクスピアの『ヘンリー五世』でウェールズ人が帽子に葱をつけているのはここから。

*2 アイルランドの守護聖人、聖パトリックを祝う日。 世界中のアイルランド系の人びとが、緑色のものやシャムロックを身につけて祝う。

*3 イングランドの守護聖人、聖ジョージを祝う日。

*4 オレンジ公ウィリアムがボイン川の戦闘に勝利したことを記念する、プロテスタントの記念日。

*5 ジェイムズ一世の時代に起きた火薬テロ事件にちなんだ行事で、花火大会が各地で催され、子どもたちはガイ人形を火にくべたりして楽しむ。『鏡の国のアリス』にも登場。

*6 スコットランドの守護聖人セント・アンドリュースの日。

*7 クリスマスに300円!!!
1875年12月14日、でした…
(12話?でアバーラインが持っていた調書?より。こちらでも発表) 

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