モーツァルトの天才を見出したサリエリの、あるいは、有史以来あまた描かれ続ける「天才とそうでない者」の愛憎劇。野田彩子の『ダブル』は、その系譜にあるようでまったく異なる愛しさと危うさ...
...COMIC RECOMMEND Vol.10「王妃マルゴ」
萩尾望都は、私の人生の光だ。 歴史フィクションに憧れを持ったのも、彼女の中編『あぶない壇ノ浦』がきっかけだった。誰もが知る源頼朝と義経の決裂を、生育環境による思考パターンという心理...
...COMIC RECOMMEND Vol.09「北北西に曇と往け」
探偵が好きなのである。 探偵の魅力とは何だろう。たぶん彼らはみんな、やさしい人たちなのだと思う。どんなに無愛想ではぐれ者――時には社会不適合者みたいな顔をしていても、人間というもの...
...COMIC RECOMMEND Vol.07「ミステリと言う勿れ」
ミステリの定義とは何だろう。推理小説。推理ドラマ。ある事件が起きて、その犯人が誰なのか、どのようなトリックを使ったのか、そして動機が何だったのかという「謎 (ミステリ)」を解き明か...
...COMIC RECOMMEND Vol.06「憂国のモリアーティ」
「真実はいつもひとつ。でも正義はそう、涙の数だけ……」。福山雅治ソングにこんなに泣ける日がくるとは、誰が予想しただろうか。映画『名探偵コナン ゼロの執行人』に通う日々のなか、主題歌...
...COMIC RECOMMEND Vol.05「BANANA FISH」
人生を変えたマンガがある。 出会いは17歳。大学受験を前に進路を決めかねていた私に、漫画好きの従兄叔父がそっと貸してくれた黄色いコミックス――それが『BANANA FISH』だった...
...COMIC RECOMMEND Vol.04「ゴールデンカムイ」
『ゴールデンカムイ』が4月にアニメ化されると聞いたとき、「2018年のアニメは伝説になる!」という予感が確信に変わったのを覚えている。ここ数年、つきあいのあるさまざまな派閥(王道派...
...COMIC RECOMMEND Vol.03「薔薇王の葬列」
去る11月、シアトリカル・ライブ『The Black Prince』を体験した。 衣裳をまとった声優たちの熱演を、大迫力の生演奏や特殊効果とともに楽しむ新感覚読劇だが、今回の舞台は...
...COMIC RECOMMEND Vol.02「不滅のあなたへ」
『不滅のあなたへ』。美しいタイトルである。 最初に目に飛び込んできたのも、美しい表紙画のせいだった。夜明けの空を背に微笑む少年とオオカミ――その画に、遺された一枚の写真のような、不...
...COMIC RECOMMEND Vol.01「マロニエ王国の七人の騎士」
ファンタジーは一大人気ジャンルだが、現代の少女マンガの「王道」としては、いまいち目立たない存在である。 とくに1990年代後期から2000年代は、いわゆる「半径5メートルの日常」に...
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