続 O Holy Night

City sidewalks, busy sidewalks dressed in holiday style.
In the air there’s a feeling of Christmas.
Children laughing, people passing,
Meeting smile after smile.
Soon it will be Christmas day.

■すてきなホリディ
アメリカやイギリスのHoliday Seasonには、また一種独特の雰囲気がある。
上はSilver Bellsの歌詞。
「街の歩道には着飾った人々があふれ、クリスマス気分に満ちている
はしゃぐ子どもたち、行きかう人々、どの顔も微笑みだらけ
クリスマスはもうすぐそこ」
まさにこのHolidayの雰囲気を描き出している。

私は大人になって、クリスマスの何がしあわせって、この街の雰囲気feeling of Christmasなのだと気づいた。
この時期の銀座は大好き。
美しいイルミネーション、上品にコートを着こなした人々。
老舗百貨店やティファニーバーニーズのウィンドウを眺め、マリアージュ・フレールの「ノエル」で休憩する。
ミキモトのクリスマス・ツリーがまばゆく光るのを横目で見ながら、教文館の6階にある児童書専門店「ナルニア国」に向かい、じっくりと絵本を選ぶ。
スターバックスDean&Deluca率が高くなるのも、またHoliday Season。(こってりとクリスマスソングが味わえるから。)

■Keeping Christmas
『ラブ・アクチュアリー』もよいが、私はクリスマスに関しては超保守派だ。
映画なら『素晴らしき哉、人生』、あるいは『34丁目の奇跡』。
ディケンズの『クリスマス・キャロル』に、O.ヘンリーの『賢者の贈り物』。
『若草物語』も忘れないで。
『くるみ割り人形』のバレエも見なくっちゃ。
 アメリカのホームドラマには、こういう「クリスマス大好き」のヒロインをよく見かける。
たとえばSEX and the CITYのシャーロット。
英国国教だった彼女は物語終盤、愛するハリーのためユダヤ教に改宗する。
「お肉を食べるベジタリアンにはなりたくない!」
だから、7月にツリーを飾って、クリスマスとお別れ。
このドラマは放送時期としてクリスマスがなかったのだが、「おばあさまの青いオーナメント」の話や流れるビング・クロスビーで、それまでのシャーロットのクリスマスの光景が想像できる。

一方、毎年クリスマス・エピソードに気合いたっぷり、クリスマス・ソングだけを集めたサントラまで出してしまったのが、もはやなつかしいAlly McBeal
女性弁護士アリーの恋愛遍歴と妄想を描いたラブコメだが、脇役も秀逸で群像劇の深みも持っていた。
第4シーズンの第8話など、特に印象深い。
アリーの事務所の共同経営者で、法廷ではやり手のジョン*1がメインで、ゴージャスな元彼女ネルの父親が依頼人。
自分がサンタクロースであると思いこんだ父親は、弁護士引退後勤めていた小学校の臨時教師を解雇されてしまう。
ジョンはネルの頼みで、不当解雇を訴える父親の弁護を引き受ける……。
このエピソードには、19世紀末から20世紀にかけて活躍したアメリカの牧師詩人、ヘンリー・ヴァン・ダイクのKeeping Christmasという詩が引用されていた。
クリスマスの意味を、もう一度考えてみたい。 

愛が世界でいちばん強いと
憎しみより、悪より、死よりも強いと
そして1900年前にベツレヘムで生まれた祝福された命が、
「永遠の命」であり輝きであると
信じる心があれば、クリスマスを祝うことができる
そして1日できるなら
毎日がクリスマスになる
でも、ひとりぼっちでは続けようがない 

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  *1 普段は気弱で“変人”のジョン(写真左)。
法廷に出るときの脳内テーマソングは「ロッキー」。
おなじみのアレから、ファンファーレ、ゴング、フィナーレまで、状況に応じて巧みに使い分ける。
このドラマによって私は、「ロッキー」が男子のための「キューティ・ブロンド」であることを知った。

 
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