OTTAVA Domenica 第7回「ドイツの冬支度」(11月16日放送)

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いよいよ「第九」の季節!
ということで、今週は指揮者の佐渡裕さんにインタビュー。
来月スタートするケルン放送交響楽団「第九」ツアーへの思いと、音楽がよみがえって感極まるほど楽しい解説をつめこんだ40分。
「裕と直樹と麻衣の部屋~第九を100倍楽しむ方法」をお送りします。

「第九」といえば日本の年末。
そして俺様ベートーヴェン様いわく「すべての者は兄弟になる!」というイメージで、じつは少女時代は苦手な演目でした。
インタビューのなかでもベジャールのバレエ作品を例にとって話し合ったのですが――たとえば一万人で声を合わせ歌う、というお祭り騒ぎのなかには、物理的心理的な何らかの事情でそれにノることができないひとが必ずいる。
「抱き合おう!みんなでいっしょにがんばろう!」
という同調圧力は、幼いころには耐え難いものでした。

変化のきっかけは、18歳の夏にウィーンの分離派館でみたクリムトの連作壁画『ベートーヴェン・フリーズ』でした。
「第九」をモチーフにしながら「同胞愛」を排除し、「全世界のこの接吻」をメインに密やかで隠微な楽園を描き出すエレガンス。
愛の表現はいろいろあるし、人や時代で変わっていくものなんだ。
なんでも頭から否定する行為は、ひどくもったいないことなんだ、と気づいたのです。
そして、まっさらな目でベートーヴェンを見つめなおすことができました。
(やっぱりそばにいたら面倒な男だとは思うけれど!)

今週のテーマは、「ドイツの冬支度」。
聞こえはじめたクリスマス市の話題やウィーンの思い出話も交えつつ、ハイドンやベートーヴェン、R.シュトラウスのあれこれ。
1930年代のウィーン・フィルの音源なども雰囲気たっぷりです。

 

【3時のモーツァルト】
オーボエ協奏曲K.314

 

【きょうの朗読】
ジョン・ヘンリー・マッケイ「あした」(リヒャルト・シュトラウス作曲)

 

【日曜日の本】
カール・E・ショースキー『世紀末ウィーンー政治と文化』(安井琢磨訳、岩波書店)[高野麻衣・選]

世紀末ウィーン―政治と文化

世紀末ウィーン―政治と文化

【麻衣のオススメ】
DEMMERS TEAHOUSE「ウィーンアップルパイ」

ウィンナー・コーヒーに代表されるコーヒーの街ウィーン。1980年、アンドリュー・デンメアはベートーヴェンハウスやウィーン大学にほど近いウィーンの中心部に、小さなティーハウスDEMMERS TEAHOUSEを開業しました。するとたちまち、ウィーンの紅茶通が集うお気に入りの場所に。国内外の店舗のほか、ウィーン国立歌劇場ギフトショップや空港でもおなじみのウィーン土産(モーツァルトやエリザベートの肖像入りのデザイン缶が有名)として大成功したのです。

ザッハトルテで有名なザッハホテルで、ザッハ・オリジナルとして販売されている紅茶もデンメアによるもの。また、フルーツティーはデンメアが初めて本格的に売り出したのだそう。「ウィーンアップルパイ」は、甘酸っぱいリンゴとレモンピールなどをブレンドしたフルーツティー。スパイスもたっぷりで、ウィーンの伝統菓子Apfelstrudelを見事に再現しています。クリスマスが近づくこれからの季節に、あたたかい紅茶とモーツァルトですてきなティータイムをお過ごしください。

インターネットラジオ OTTAVA

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