ハロウィンの余韻も冷めやらぬ週末の放送、ということでテーマは「ゴシック」。
ヒルデガルト・フォン・ビンゲンやマショーの中世音楽からスクリャービン、プロコフィエフ、トマ・ブロシュによる現代の「サンクタ・マリア」まで、神秘的で魔的、かつ暗黒乙女な世界観をご紹介します。おもしろかったのが、わたしがもちよった旬の話題のひとつ「ティム・バートンの世界展」(六本木・森アーツセンターで11/1から http://www.tim-burton.jp/)が完全に「林田直樹のティム・バートン万歳!」コーナーになったこと。
きのう内覧会にいってわかったのですが、バートン監督の世界って(『バッドマン』も『シザーハンズ』も『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』も)男子による男子のための夢の王国。
セレモニーで来日した監督自身が言っていた「カイジュウだいすき!」がすべてを表しています。
番組では、NAXOSのライブラリーにしっかり収録されている『バッドマン』メインテーマも流れますので、男子のみなさんもお楽しみに!『王妃マルゴ』をご紹介する後半は、ゴシックはゴシックでも、ちょっぴり典雅なフレンチ風味。
ジャン・フランセの五重奏曲(通称「ケーキの曲」)がとってもすてきです。
ラモーを流したとたんのほっとする感覚に、やっぱりわたしは明るい光が好きなのだわ、と再確認したのでした。
【3時のモーツァルト】
ハ短調ミサ曲 K.427【きょうの朗読】
ロマン・ビュシーヌ「夢のあとに」(ガブリエル・フォーレ作曲)【日曜日の本】
萩尾望都『王妃マルゴ』(集英社)[高野麻衣・選]
- 作者: 萩尾望都
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2013/01/25
- メディア: コミック
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【麻衣のオススメ】
アンリ・シャルパンティエ「プティ・ガトー・アソルティ」芦屋に本店を構える洋菓子店の老舗アンリ・シャルパンティエ。1960年代、フランス料理店のコースでしか味わえなかったクレープ・シュゼットなどの本格的なデセールを味わえるサロン・ド・テとして出発したそうです。
わたしは銀座にあるサロン・ド・テがお気に入り。貴族のタウンハウスのような重厚な石造りの建物に足を踏み入れると、そこには黒とオペラ・ピンクのモダンでちょっぴり隠微な世界が広がります。象徴的なのは、壁紙から閉店時のシャッターまで、幾重にも描かれた絵画『ガブリエル・デストレ姉妹』。このフォンテーヌブロー派の名画に描かれた裸の貴婦人、じつは王妃マルゴの夫アンリ4世の愛妾だったのです……。
というわけで、本日はこの店のお菓子を。贈り物の定番フィナンシェやマドレーヌも入ったアソルティは、異なる色と味わいをした小さなガトーの8つ入り。「フランボワーズ」に「ピスターシュ」、「ショコラ・ド・ナンシー」、「キャラメル・プール・サレ」に「パン・デピス」。耳においしいフランス語愛も満たしくれる、自分だけのご褒美に。