ビリーブ

1970年代、アメリカ。女性が仕事を選べず、自分の名前でクレジットカードも作れない。そんな時代に弁護士ルース・ベイダー・ギンズバーグ(フェリシティ・ジョーンズ)が挑んだのは、「100%負ける」と言われた「男女平等」裁判。不利な状況の中、ルースは立ち上がり、世紀の演説をする――。

未来を信じ、世界を変える
「男女平等」裁判に挑んだルースに喝采!

これほどの爽快さと、力強い勇気を感じた映画はひさしぶりでした。しかもこれ、50年前にあった実話です。ルースは、85歳のいまも現役の最高裁判事。アメリカで最も尊敬される女性のひとり、そして#Me Too運動の先駆者的存在としてポップアイコンとなっている人物なのです。

しかし、この映画の素晴らしいのは、彼女がスーパーヒーローだからではありません。女性として、母として、決して順風満帆だったわけではないルース。「すべてに疑問を持て」という母の教えを胸に、苦労して名門ハーバード法科大学に入学するも、教室では透明人間扱い。性別が理由で弁護士を諦め大学教授となるも、「ママは闘ってない」と娘が反発。それでも、どんなときも未来をあきらめない。その生き方が、私たちに共感と尊敬を抱かせるのです。現地の記者が「あらゆる女性へのラブレター」と評したのも、納得です。

世界は変わっていく――強い信念で権力に立ち向かう、ルースの逆転劇。あなたもぜひ劇場で、喝采を上げてください。

どんなときもファッションに手を抜かないルース。スーツの群の中でのドレス姿や、裁判当日のパイピングが眩しいスーツ姿にも注目したい。そんな彼女を信じ、「君の人生は今日のためにある」と励ます夫マーティン(アミー・ハマー)もまた、じつに魅力的!

© 2018 STORYTELLER DISTRIBUTION CO., LLC.

 

[and more]
『RBG 最強の85才』

「もっとルースを知りたい!」と思った方にうってつけなのが、5月公開のこちらのドキュメンタリー。小さな体に大きなメガネ、おしゃれでシャイな素顔のルースを取材し大ヒット、アカデミー賞2部門にノミネートされました。現代アメリカを知るための、必見作品です。

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(25ans 2019年5月号 初出)※加筆予定

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