本日は「夏至祭の夜」と題して、北欧の白夜の幻想的なお祭りや、妖精と魔物が飛びかう不思議な音楽を特集します。登場するのは、
アルヴェーン「夏至の徹夜祭」
グリーグ「5つの詩~第2番:私は夏の夕べにさまよい」
ムソルグスキー「はげ山の一夜」
ドビュッシー「6つの古代の墓碑銘~夏の風の神、パンに祈るために」
メンデルスゾーン「夏の夜の夢」他とくにメンデルスゾーンは、NAXOSが誇る「音楽劇入り完全版」のさわりをお届けします。
たくさんの物語や音楽を生み出した「夏至」は、ある意味「光に感謝する日」でもある。写真はポーランドの夏至祭でのスカイ・ランタン。思わず「『塔の上のラプンツェル』だ!」と叫んでしまった林田さんと私でした。
旬の話題では、日本の夏の風物詩・草津音楽祭やMETライブビューイング・アンコールについてもご紹介(ともに8月より開催)。METからは、ふたりのいちおし作品プレゼンも!
METライブビューイング メトロポリタン・オペラ最新情報 Met opera: 東劇「METライブビューイング アンコール2015」8/8(土)より上映!
夏の幕開けに思いをはせるすてきな4時間を、ごゆっくりお楽しみください。
【3時のモーツァルト】
ピアノソナタ第13番 K.333~第2楽章
【日曜日の本】&【麻衣のオススメ】
「夏至」をテーマにお届けする今週のオススメは、山下和美の話題作『ランド』。『天才柳沢教授の生活』や『不思議な少年』で人間ドラマを描きつづけてきた山下和美が挑む新境地は、因襲にとらわれた村と異形のものたちが登場するSF。黄色い表紙に特色オレンジの、「その村では、人は必ず50歳で死を迎える。」という帯のコピーも目を惹きます。
舞台は、昔話のような日本の農村。獣の皮をかぶった役人達が取り仕切る「この世」と呼ばれる村で、四方を山と神々の像に囲まれて暮らす杏という少女が主人公です。「知命」をはじめ、「『あの世』と呼ばれる山の向こうへいってはならない」「夜に外出してはならない」といったしきたりを、村人は当然のものとして受け入れ、生まれては死んでいく。しかし、双子の姉を生け贄に捧げられた杏はいつも「どうして?」を感じつづける変わり者。彼女とさまざまな人々が出会い、やがて冒険がはじまっていく――というプロローグの第1巻です。音楽的でもあり、「自由の象徴」である鳥の飛翔も印象的なストーリー。昔話として読み進むうちに感じたさまざまな違和感が、ラストシーンにつながったときには鳥肌が立ちました。
夏至の夜、冒険の旅のはじまりに、ともに立ち会いましょう!