OTTAVA Domenica 第39回「黒船が来た!」(7月5日放送)

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7月最初のOTTAVA Domenicaは「黒船が来た!」。

本日の目玉は「METアンコール・スペシャル」前編。これまで9年間の傑作のなかから、選りすぐりのMETライブ音源が、ついにニューヨークからやってきました!

本日ご紹介したのは、

ヴェルディ:歌劇「マクベス」第4幕~合唱「虐げられた祖国よ」
ドニゼッティ:歌劇「ランメルモールのルチア」第3幕~狂乱の場「優しいささやき」(ナタリー・デセイ)
ロッシーニ :歌劇「湖上の美人」第2幕~アリア「胸の思いは満ち溢れ」(ジョイス・ディドナート)

うーん、なにをアンコールするか迷いますが、この計画がまた、楽しいんですよね。「METライブビューイング2015アンコール」の詳細は、下記ホームページをご覧ください。
www.shochiku.co.jp

作家グラックを讃えるルネ・マルタン・プロデュースの新音楽祭「声の岸辺」や、展覧会の話題もご紹介。林田さんも大興奮の河鍋暁斎のポップアート(写真)、ぜひチェックしてみてください!

【Art】一丁倫敦の師弟 | 三菱一号館美術館「画鬼・暁斎」展 – Salonette http://www.salonette.net/entry/2015/06/29/100000

 

【3時のモーツァルト】
弦楽五重奏曲第4番 ト短調 K.516~第1楽章

 

【日曜日の本】&【麻衣のオススメ】
よしながふみ『大奥』12巻(白泉社)

実写映画も話題となった大ヒット大河コミックの最新12巻が、先週発売されました。赤面疱瘡という病で男子が激減し、男女が逆転した<大奥>が舞台というSF時代劇。設定がセンセーショナルだったので、さわりをご存じという方も多いと思います。序盤は3代・家光や5代・綱吉といった女将軍たちの壮絶な葛藤やラブストーリーが主題になっていたこの作品ですが、8代・吉宗あたりを境に、政治の不条理や、病を克服しようとする人びとの人間ドラマが物語の核になってきました。青沼、平賀源内、田沼意次……病の謎の解明に情熱を傾ける人びとに次々に不条理が襲い、歯噛みするような展開の続いた「医療編」。雨の中での黒木の慟哭に、権力とは、人が生きることとは――たくさんのことを考えさせてくれました。

今回あえて、「医療編」のラストとなる最新巻をご紹介したのは、同時代の、いままさに刊行を続けている名作をリアルタイムで味わい、作者の魂の叫びを受け取ってほしいと思ったから。創作における熱量を、こんなにも感じつづける作品はありません。正直、読み終わるたびに毎回、嗚咽しています。静かでも激しくても、毎回、必ずです。

とくに「医療編」は、「あの人の役に立ちたい」「あの人の恩に報いたい」がテーマになっているので、感慨がすさまじいのです。物語の中で、人は生まれては死んでいくけれど、情熱は連綿と継がれていく。歴史のダイナミズムと、個々の人生がリンクしていく興奮。絶対に、絶対に読んでほしい作品です!

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