今週のOTTAVA Domenicaのテーマは「星、月夜、宇宙」。
天体観測やプラネタリウムでみた夏の夜空を思い浮かべながら、信仰やあこがれを秘めた音楽の数々をご紹介します。
ブクステフーデ:暁の星のいと美しきかな
シューベルト:夕べの星 D.806
カベソン:賛歌:めでたし、海の星 第6番
ジョスカン・デ・プレ:天にましますわれらの父よ
リヒャルト・シュトラウス:交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」
ポンセ:エストレリータ(小さな星)
ホルスト:組曲「惑星」~木星・快楽の神
クセナキス:プレイアデス~ポー(太鼓)
アイアランド:3つのパステル画~ギリシアの少年
シェーンベルク:月と人間
クルト・ヴァイル:街の風景~顔は月、目は星
スヴェンセン:星月夜の下で
武満徹:小さな空
旬の話題では、11月におこなわれるライブシネマコンサート「2001年宇宙の旅」もご紹介。林田さん実況付きブルックナー交響曲第7番全曲(!)もお聴き逃しなく!
宇宙ははかり知れない。わからないからこそ、ロマンティックな宇宙。
あこがれを胸に、いつだって空を見上げて生きていきたい。そんなことを、最近よく考えます。
【3時のモーツァルト】
「魔笛」序曲
【日曜日の本】 &【麻衣のオススメ】
阿刀田高『ギリシア神話を知っていますか』(新潮文庫)
星座といえば、ギリシア神話。聖書と並ぶ古典中の古典です。私の場合、少年マンガの古典『聖闘士星矢』で最初に興味を持った(アンドロメダ瞬になりたかった!)ものの、成長するにつれて、思想や芸術、文芸に多大な影響を及ぼした物語をきちんと知りたいと思うようになりました。そんなとき出会ったのがこの作品です。
一般的に「入門書」というのは、あるジャンルの膨大な枝葉を巧みに整理し、有名なエピソードを取りあげてわかりやすく解説するもの。そういう意味で、作家・阿刀田さんの語り口は少し異なります。たとえば、書物をたくさん読みこなしている物知りのおじさんに「ギリシア神話ってなあに?」と尋ねたら、おじさんが好きなエピソードを選び、脱線しつつ、主観やユーモアもまじえつつ語ってくれた。そんな本です。「トロイアのカッサンドラ」「恋はエロスの戯れ」「オイディプスの血」「闇のエウリュディケ」「アリアドネの糸」「パンドラの壺」「星空とアンドロメダ」など有名エピソードに加え、シュリーマンの遺跡発掘への情熱を描いた「古代へのぬくもり」の十二章。愛いっぱい。それに触れるにつけ、やっぱりなにか愛することこそ、書くことの基本なのだと再確認するのです。そう、古典って愛なのです。