年頭にエッセイを続けようと決めたとき、書きたいと思ったのは木村拓哉のことだった。
もちろん以前の新聞連載のように、自由なテーマで月1回、1000字程度の文章だけで表現する訓練をつづけたいという目的があった。
いまの自分に発表する媒体がないためお蔵入りしがちな、マンガやアニメなど、サブカル系レビューやエッセイに光を当てたい、という気持ちも大いにあった。
しかし、なによりも大きなきっかけは、1月のあの騒動のなかで木村さんのラジオから流れた「信じてついてきてください」ということばと、オリジナルスマイルの感動だったのだ。きっと一生忘れない。
「王」という存在がなんのためにあるのか、ノブレス・オブリージュがなんであるかを教えられた気がしたからだ。
私にとって木村さんはいつも、理想のプリンセス像とも重なる、こうありたい自分の指針である。*1
だから、タイトルも「姫キャラ」にした。
私にとっての「姫」とは、美しく凛々しく、闘いつづける人の総称だからである。
そして「姫」が直面するのは、「プロパガンダに踊らされた民衆の非難」とマリー・アントワネットの昔から決まっている。くやしいけれど、それは宿命でもある。
それでも木村拓哉は——ヒラリー・クリントンもそうだったように——「前線から逃げない」。彼らを愛してきた人間が自信をもてるように、毅然と未来を見据え、前進してみせるのだ。
Dream is alive.(夢は生きつづける)
11月のはじめから、この言葉を何度もつぶやいてきた。
ヒラリー・クリントンの演説を聞きながら。ある作家の死について考えながら。そして、SMAPのノンストップライヴに号泣しながら。
私はすぐに死ぬけれど 人間は星よりも長く続く
私ができなかったことを つないでいく人がいるでしょう
だから 夢は生きつづけるんだわ*2
そんなフレーズをエンドレス・リピートするくらい悲しくて、しかし、壮絶な覚悟を感じた出来事だった。
2016年は少なからず、試練の年だったのかもしれない。
なにかを信じる、好きになるということは、傷つくことにいっぱい出会うことだ。
泣いてばかりでは乗り切れない。ほんとうに好きなら、思う気持ちを大事に育て、それを誇りにできるような愛し方をしたいと、私は思う。
それは諦めることでも、誰かへの憎しみを露にすることでも、決してない。
ヒラリーやSMAPがやってきた「女の子を応援すること」を、絶対につないでいこう。かつての自分のような少女に、たくさんの可能性を届けよう。そのために私ももっともっと、前進していこう。
――そう思った矢先に、少女向けのお仕事が立て続けに入ってきたりする。
だから世界は素晴らしい。どんなことがあっても、私は世界を愛していたい。
愛ある限り、夢は確実に、生き続けるのだから。
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[2017.4.4 追記]
*1:【連載】きょうの姫キャラ 第1回 「ミッキーはブレない」 – Salonetteより。
*2:高河ゆん『アーシアン』第1話より。
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