東京都美術館「ウフィツィ美術館展 黄金のルネサンス ボッティチェリからブロンヅィーノまで」の記者内覧会へ。
15世紀(クワトロチェント)のフィレンツェでは、多くの優れた芸術家が生まれ、ルネサンスの黄金期を築いた。その最大のパトロンだったのがメディチ家。彼らのコレクションを核とするウフィツィ美術は壮麗な建築と、ボッティチェリ作品を多数所蔵することで知られている。
今回は『パラスとケンタウロス』をはじめとするボッティチェリ作品のほか、ブロンヅィーノら16世紀「マニエラ・モデルナ(新時代様式)」の画家たちによる約80点が紹介されている。
なによりもわたしが夢中だったのは、その歴史ロマンの側面。代々のメディチ家当主やその家族の肖像画も展示されており、“花のジュリアーノ”・ディ・メディチとともに記念撮影してもらった。
藤本ひとみ『逆光のメディチ』が読みたくてたまらない。
内覧会のあとは「フェルディナント・ホドラー展」(国立西洋美術館)をはしごし、夜にはモントリオール交響楽団の来日公演(東京芸術劇場)で「展覧会の絵」。
完璧に音楽的な、「芸術の秋」を絵に描いたような一日だった。
ホドラーの絵画のオイリュトミー(よき調べ)にラヴェルを感じたり、ドビュッシーの象徴主義らしい「海」にホドラーを思い出したり。わたしがみんなに知らせたいのはこういうこと、という感情が渦巻いていてもどかしいほど!
あいまに奏楽堂を眺めながら黒田記念館でお茶をいただき、国際こども図書館の高い天井を見上げて深呼吸した。
芸術にも生活にも境界なんてない。
こういうすばらしい一日のあり方を、たくさんのひとと分かちあいたい。
フェルディナント・ホドラー展/【東京展】 2014年10月7日(火)~2015年1月12日(月・祝) 国立西洋美術館/【兵庫展】 2015年1月24日(土)~4月5日(日) 兵庫県立美術館