夢をかたちに|エルメス レザー・フォーエバー

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東京国立博物館で開催されていた「エルメス レザー・フォーエバー」展。

年末のあわただしさの中でご紹介が遅れたが、すばらしい展覧会だった。エルメスのルーツである馬具や鞍から、歴史を彩った名品の数々、6世代にわたって伝承されてきた職人のテクニック――なによりもレザーへの尽きせぬ愛を目撃できる。

 

会場は、重要文化財である「表慶館」。明治末期、東宮嘉仁親王(のちの大正天皇)のご成婚を祝して建設されたネオ・パロック様式な優美な洋風建築で、過去にはカルティエのジュエリー展が開催されたこともある。

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白亜に翡翠色のアクセントもエレガントな空間に、

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モダンな照明と、遊び心を刺激する仕掛けがたっぷり。

写真はレザーのカーテン。かなり激しくぶつかってくるので、まさに馬になったような気分。こんなに本物のレザーに触った(覆われた)のははじめてかもしれない。

知られざる逸品も。写真は、1949年に作られたレザー製手押し車。あの“王冠をかけた恋”のエドワード皇太子(当時)がウォリス・シンプソンへのプレゼントとして発注したものだそう。

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プレゼントを探しにフォーブル・サントノレ通り24番地のエルメスに来店した皇太子、「香水か手袋はいかがですか?」という店員に「香水や手袋は手押し車何台分も持っているよ!」とお答え。そこで機転をきかせた店員がおすすめしたのが、この手押し車。もちろんウォリスのために特別に製作された。

使い勝手はともかく、このエピソードこそがメゾンの魂そのもの。

この世に存在しないものをつくり出すには、夢が不可欠です。エルメスでは途方もない夢こそが、もっとも価値ある挑戦。そこには、常に発見があります。

 

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170年以上にわたってレザーと向き合い、革新をつづけてきたエルメス。彼らはいまも「私たち馬具工房」と名乗る。

謙虚な、まさに職人の誇りに触れると、クリエーションを用いる私たち自身も尊敬と感謝を禁じ得なくなる。ファッションは、音楽や美術となんら変わらない。

こうしたメゾンのメセナ活動によって、多くのひとが「ほんとうにいいもの」に触れられるといいと、心から思った。

未年の来年も、レザー・フォーエバー!

 

Hermès — エルメス レザー・フォーエバー展

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※今回の取材は、チバヒデトシさんの記事でも紹介されました。

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