10月1日、来春Bunkamuraザ・ミュージアムにやってくる「ボッティチェリとルネサンス フィレンツェの富と美」の記者発表会が行われた。
フィレンツェのストロツィ宮で好評を博したこの企画、原題は「マネー&ビューティ: 銀行家、ボッティチェリ、あるいは虚栄の焼却」。ボッティチェリやその師匠リッピら画家たちはもちろん、ロレンツォ・メディチやサヴォナローラといった歴史好きにはたまらない名詞が並ぶほか、金貨や経済活動にまつわる絵画、富めるフィレンツェと結婚、銀行家と芸術家の関係性など、これまでアートの世界では表だって語られてこなかった「マネー」という切り口がとても新鮮だ。
まもなくスタートする「ウフィツィ美術館展」(東京都美術館)とも連携するものだそうだが、注目はやはり、ピアチェンツァ市が期間限定(3/21-5/6)で出品する門外不出の名作『聖母子と洗礼者ヨハネ』。
薔者に佇む3人は、フィレンツェのもっとも幸福な時間の象徴。その後の凋落とサヴォナローラによる「虚栄の焼却」を思えば、ひとときの美が胸にせまる。
なにより、この、イタリア大使館のロケーション!
かつては伊予松山藩の中屋敷だったという和洋折衷の洋館で、おいしいイタリアワインもふるまわれた。
「企業家とアーティストの絆を、メセナといいます。イタリアが誇ることばです」という、駐日大使ドメニコ・ジョルジ閣下の言葉が印象的だった。
「ボッティチェリとルネサンス フィレンツェの富と美」は2015年3月21日から、Bunkamura ザ・ミュージアムで開催される。