イースターのOTTAVA Domenica、テーマは「人生のエル・システマ」。
先週開催された「ドゥダメルと子どもたち」にはじまり、アカデミー3部門受賞の話題作『セッション』や名作マンガ『BANANA FISH』まで、「再生」についての音楽旅行です。
ドゥダメルとこどもたち
http://elsistemajapan.org/YOLA.html映画『セッション』(4/17公開)
http://session.gaga.ne.jp/【Movie】カーネギーホールの死闘 | 『セッション』 – Salonette http://www.salonette.net/entry/2015/04/01/225904
この日、収録後には、集英社ハピプラアートにて原田マハさんのお話を伺う機会がありました。
アートの仕事を経て作家となった原田さんの印象派愛、「好きという気持ちを伝えたくて小説にするんです!」ということばに激しく共感。 『ジヴェルニーの食卓』はもちろん、ジャポニスムに貢献した明治の美術商・林忠正の名誉を回復するべく熱弁されていた新作、絶対に応援したい!
【3時のモーツァルト】
ディベルティメント K.287~第1楽章、第2楽章
【日曜日の本】&【麻衣のオススメ】
吉田秋生『BANANA FISH (1) 』(小学館文庫)1973年、ベトナム。米軍兵士グリフは突如錯乱、同僚を射殺して廃人と化す。彼がつぶやくなぞの言葉「バナナフィッシュ」とは一体何なのか。時が経ち1985年。マンハッタン、ロウワーイーストサイド。暴力が支配するこの街で、ストリート・キッズを束ねる少年がいた。アッシュ・リンクス。IQ200の知能に超一級の戦闘力をあわせもつ彼のもとに、「バナナフィッシュ」をめぐるマフィアとの死闘が間近に迫っていた……。
1980年代から90年代にかけて連載を続け、いまもマンガを愛する人のバイブルとして語り継がれる名作『BANANA FISH』。私も思春期に後追いで夢中になり、大いなる影響を受けました。「人は変わることができる」というメッセージとともに強烈に感じるのは、「教養は人を自由にする」という確信です。アッシュが愛するモーツァルトの『フィガロの結婚』や高級ワインは“ゴッドファーザー”ゴルツィネの呪縛のように描かれますが、もしもアッシュがゴルツィネに出会わなかったら、巨悪は暴かれず、アッシュ自身もストリートの片隅で生涯を送ったかもしれない。
本日ご紹介した「エル・システマ」や映画『セッション』にも共通しますが、人生には、友だちと同じくらい重要な音楽=教養との出会いもあると思うのです。教養って、近年不要なもののように言われがちですが、じつは切実に必要であることがわかる作品のひとつです。もちろんエンターテインメントとしても超一品。未読の方はぜひ、この機会に!
- 作者: 吉田秋生
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 1996/12
- メディア: 文庫
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