8月最初のテーマは「夏空とボーイズライフ」。
夏休みの子どもたちを思わせるどこかなつかしい楽曲や、少年合唱団、そしてを天使にまつわる音楽までご紹介いたします。
コープ:オペラ「氷の山」~第3幕「夏」
シューマン:子どもの情景~子どもは眠る、詩人は語る
ボルゾヴァ:ラダの歌~昔、父さんには3人の息子がいた
フォーレ:レクイエム~サンクトゥス、ピエ・イエズス
ジェズアルド:美しく小さな天使
ドビュッシー:組曲「子どもの領分」~グラドゥス・アド・パルナッスム博士、象の子守唄、人形のセレナード
フィリップス:天使ガブリエル
旬の話題は、本日千秋楽を迎えたアダム・クーパー主演のストラヴィンスキー『兵士の物語』、そして今月29日公開のドキュメンタリー映画『バレエ・ボーイズ』。
夏の日の少年たちへのあこがれをつめこんだトークはもちろん、英国の児童合唱の伝統についてや、林田さんの男子校裏話(!)も登場します。
再放送は8/8(土)。今週も、すてきな一週間をお過ごしください。
【3時のモーツァルト】
ヴァイオリン・ソナタ 第26番 K.378~第1楽章(フルート編曲版)
【日曜日の本】&【麻衣のオススメ】
売野機子『MAMA』1巻(新潮社)夏になるたびに、「あの少年たちになりたい」という切ない憧れを思い出します。そんな私が“旬の話題”映画『バレエ・ボーイズ』(8/29全国順次公開)と並んでみなさまにおすすめしたいのは、新鋭・売野機子による音楽マンガ『MAMA』。現在5巻まで刊行中の注目作です。
舞台はChoir(クワイア)の寄宿舎。「貧しい家のために」入団したガブリエルと、「自らの才能を試すために」入団したラザロ。神の恩寵は、ガブリエルに降りかかるように見えたが――。このChoir、一見ウィーン少年合唱団のような組織なのですが、どこの国なのか、いつの時代なのかは明かされないファンタジーになっています。どこかSF的でもある謎めいた箱庭の世界観。それ自体が歌っているようなモノローグや、ヨーロッパへのあこがれがたっぷりつまったディテール。そして80~90年代の「ウィングス」を思い出すカラーの色合い(ピンクの髪とか)。新感覚でありながら、萩尾望都、竹宮惠子ら24年組の粋から、長野まゆみ、鳩山郁子、西炯子に高河ゆん――わが青春の「少年クロニクル」がぎゅっと濃縮還元されたかのようなデジャ・ヴュの連続に、めまいがするほどの多幸感を味わいました。
私には「音楽をともに奏で、仲間になる」ことへの絶対的信頼があるのですが、「音楽には個々の才能差と、別れがある」という事実もまた、せつなくいとおしい。最後に闘うのは自分自身の孤独。それでも仲間がいたという記憶は、きっと永遠なのです。
- 作者: 売野機子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2013/03/09
- メディア: コミック
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