ミッキーはブレない

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Photo:田里弐裸衣

 

2016年の初観劇は、星組「Love & Dream」。

100年の歴史を誇る宝塚の「愛」とディズニーの「夢」のコラボで、第1部がディズニーソング・レビューだったのだが、『白雪姫』や『シンデレラ』などクラシックス中心かと思いきや、『リトル・マーメイド』『美女と野獣』から『塔の上のラプンツェル』『アナと雪の女王』まで、敬愛するアラン・メンケンの楽曲がメインで心を揺さぶられた。

人魚姫アリエルの「パート オブ ユア ワールド」に、“本を読む娘”ベルの広い世界への憧れ。

夢見る瞳 本を読みふける
なぞめいた娘だよ ベルは

ああ なんてすてき胸がときめく 見て
そう 気付かないのよ 王子さまが彼だってことが

80~90年代の少女期リアタイ映画楽曲が懐かしくていとおしくてたまらなくて、もう、涙が止まらない。もはや条件反射だった。

ベルの姿に、どんなに自分を重ねたことだろう。あらためて、ディズニーヒロインとメンケンの音楽が血肉となっているのを感じた。

 

歌唱に秀でたトップ娘役・妃海風を筆頭に、強く凛々しい星娘たちが出ずっぱりで、自由を求めて闘う新世代ヒロインや妖精たちを演じるのもうれしかった。

ディズニー映画の主人公はほとんどがプリンセスだから、男役上位の宝塚でミュージカル化するのは(いまは)難しい。だから劇団四季の専売特許になっているのだろうけれど、宝塚の娘役ほど、ディズニーヒロインがハマる女の子はいないとおもう。レビューとはいえ、娘役の主役公演を実現できるところが、やっぱり星組だと思った。

娘役が凛々しくて、男役の度量が広い。そんな星組がやっぱり好きだし、トップスターがミッキーマウス・マーチで登場する宝塚の世界観がいとおしいと、再確認した夜だった。

 

前を向いて王道を歩むなにかを愛する気持ちが、年々強くなっていく。

昨年の紅白歌合戦では、舞台にミッキーマウスが登場した瞬間に泣いてしまった。

飄々とミッキーのダンスの相手をつとめる紅組司会・綾瀬はるかへの尊敬も新たにしたが、「ミッキー登場で泣く」のはやはり条件反射である。同レベルの高揚を覚えるのは現在、大きな羽を背負った宝塚のトップスターと木村拓哉だけだ。

激動の、1月だったのである。

未明にSMAP解散の第一報を聞き、そのまま一日中外で仕事だったので、ニュースをみて「ほんとなんですね」というひとばかりで絶望に襲われたりもした。情報操作の怖さ、自分の弱さを痛感した、ひさしぶりの出来事だった。

あの騒動のさなかに木村さんのラジオから流れた「キャプテンを信じてついてきてください」ということばと、「我らSMAP」の名曲オリジナルスマイルを、私は一生忘れないと思う。

シモネタ満載のラジオの冒頭数分で、「王」という存在がなんのためにあるのか、ノブレス・オブリージュがなんであるかを教えられた気がしたからだ。

私にとって木村さんはいつも、理想のプリンセス像とも重なる、こうありたい自分の指針である。

だから私もブレない。2016年も前向きに、ミッキー=木村さん的なるものを愛しつづける。

  

 

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