そろそろヴァカンスの季節。
まとまったお休みには、気になっていた本の一気読み、したくなりませんか?
避暑地でゆったり読む小説もすてきですが、巻数の多いマンガを一日で一気するジェットコースター感もたまらないもの。この夏は「漫画、9番目の芸術」と題されたルーヴルの美術館特別展(東京・森アーツセンター)も開催中で、フランスのバンドデシネへも興味津々です。
※冒頭画像:2014年のフランス取材時にいただいた『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』フランス語版
ということで、週替わりリコメンダーを担当しているFMラジオ番組「Memories & Discoveries」、8月は「マンガと音楽のラブソング」と題して絶賛お届け中です。
今回お届けした4曲は、以下のとおり。
1. シューベルト:「冬の旅」~春の夢 (8/2朝 放送分)萩尾望都「ポーの一族」最新作のテーマ曲。拙著『マンガと音楽の甘い関係』の構想のきっかけとなった巨匠の、70年代の代表作が21世紀によみがえりました。タイトルはなんと、シューベルトの歌曲から!“音楽漫画家”への敬愛と、少女時代に「マンガでクラシック音楽を覚えた」経験などをお話ししました。
2. ダウランド:憂鬱なガイヤルド (8/3朝 放送分)菅野文『薔薇王の葬列』の主人公、リチャード3世をイメージした選曲。今いちばんおすすめの世界史&シェイクスピア系マンガをご紹介。少女マンガとクラシックの相性のよさについてお話ししました。
3. サン=サーンス(リスト編):死の舞踏 (8/4朝 放送分)荒木飛呂彦『ジョジョの奇妙な冒険』の美形悪役ディオ・ブランドーをイメージした選曲。少年マンガ×クラシックの例として、音楽好きで有名な荒木先生の“音楽的名作”をフィーチャー。オノマトペの謎でも盛り上がります!ジョジョの奇妙な冒険 (1) ファントムブラッド(1) (集英社文庫―コミック版)
- 作者: 荒木飛呂彦
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2002/02
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4. バッハ:主よ、人の望みの喜びよ (8/5朝 放送分)吉田秋生『ジュリエットの海』のメインテーマ曲。音楽がいかに人と人を結ぶのか――『BANANA FISH』や『海街Diary』の作者による80年代の名作短編をもとに、漫画家たちが「音のない世界で音楽を描く理由」を探ります。
じつは番組MCの女優・朝倉あきさんは、歴女でマンガも大好き。
朝倉 あき Aki Asakura | 合同会社 コニイ CONNIE LLC OFFCIAL SITE
私の著書『マンガと音楽の甘い関係』にも興味を持ってくださっていて、「いつか一緒にマンガの話もしたい」と考えていたのです。
チャンスとばかりに臨んだ今回は、あきさんによるポーの一族からオトメンからジョジョまで(!)即意当妙なかけあいのおかげで、これまでで最も盛り上がった収録に。
構成をじっくり考えた甲斐もあって、最終日には吉田秋生先生の美しい“音楽”を味わいながら、
「なぜ作家は音楽を描くのか?」
という命題にも言及できました。
音声だけで伝えるのは難しい「マンガ」というジャンルを取り上げる冒険を許してくださったスタッフの皆様に、深く深く感謝しています。
ネットからもお聴きいただけますので、ぜひ聴いてみてくださいね!