冬至である。
アドベントの最後の週末に、Silent Music「Angel」展へ伺った。
Silent Musicは「心を澄ますと聞こえてくる音楽」をテーマに、ピアニスト久保田恵子さんが主宰する密やかなサロン。
隠れ家のような中庭から一歩立ち入ると、ふわりとViolaの香り。修道院で作られたアロマオイルの香りとピアノの音楽が流れる室内には、絵画やオブジェの形をした、たくさんの天使が舞い降りていた。
一瞬、言葉を失ってしまった。
なんて聖らかで、やすらかな場所だろう。
若き日本画家・足立絵美さんもいらしていて、いっしょに恵子さんのバッハを聴けたのもうれしかった。
ピアノのそばには古いハープやリュート。奥のキャビネットには、ヴァイオリニストだった旦那さんの写真とともに、使い込まれた楽譜の束が眠っている。
人びとに愛される美しい音楽、そして音楽を愛する人びとの思い出がいまも生きる場所……まるで物語のようだった。
思い返しながら、胸がいっぱいになっている。
来客に気づいて出てきてくださった恵子さんの、少女のような声もすてきで、再会の喜びに満たされた。いれてくださったオレンジとベルガモットの紅茶も香り高く、なにからなにまで幸福な時間だった。
ノエルはご家族(星の王子さまのようなお孫さんも)とパリで祝われるという恵子さん。わたしの大いなる憧れ。
Silent Musicについてはきっとまた、折々にご紹介をしたい。