Day2: ハープという運命|ラ・フォル・ジュルネ2015

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ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2日目。本日も快晴。

日比谷から丸の内仲通りを歩いてフォーラムへ。通勤の足どりも軽くなる。シンガーでモデルの藁科早紀ちゃんが連絡をくれたので、Folle LABOでフォトセッションしていたら、

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クラシカル・バンドSPARKが登場。一緒に撮影を楽しんだ。

早紀ちゃんは、ラ・フォル・ジュルネに通って3年目。深夜のホールAで味わう陶酔寸前のベルリオーズや、中庭で初夏の夜風に吹かれながらのシャンパンの幸福をわかってくれる友人のひとりだ。ヴァカンス気分のすてきなドレスも、わたしの記事(下記)を参考に、エーゲ海を意識してくれたのだそう!

 

つづいて小橋めぐみさんとともに、ボリスのラフマニノフを(214/ ホールA)。

スピード感あふれる彼のラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」はこの音楽祭の定番。数々の忘れられない名演があるが、今回は一味違った!

第1楽章では正直、1988年生まれの指揮者アジス・ショハキモフ(昨夜の“変態的”ベルリオーズで話題騒然!)による濃厚なオーケストレーションとのギャップにハラハラするような瞬間も。しかしさすがプロフェッショナル。2楽章、3楽章と一つになっていく音楽、そして幕切れの喝采とハグ――もはやひとつのドラマだった。音楽は生き物、とあらためて感じた。

終演後、仲通りにあるペニンシュラホテルのテラス席でめぐみさんと興奮を語り、たっぷり充電。

 

宵闇のなか向かったのは、ハープのシルヴァン・ブラッセルのリサイタルである(281/ 相田みつを美術館)。

昨日のインタビューでジェントルな人柄にほれ込んでいたので、すばらしい時間になるに違いないと確信はしていたのだが……

すばらしいどころの話ではなかった!

こんなに酩酊し、恋のような熱病にかかってしまうとは!

テーマは「恋の物語~ハープで聴く400年の愛と死」。バロック音楽もバッハもハイドンもすばらしく、MCも優雅でうっとりしたのですが、リストの「コンソレーション第3番」がハープの音色で流れ出した瞬間、涙が止まらなくなった。

ショパンの死の翌日、かつての盟友への思いを音楽に託したリスト。その音につまったやさしい悲しみが、まるでモノクロームがカラーに変わるようにあざやかに浮かび上がり、広瀬悦子さんも言っていた「複雑で魅力的なリスト」がいとおしいのと、ハープがいとおしいのと、シルヴァンさんがいとおしいのと、さまざまな愛が重なりあって私は思った。

「私はリストに、ハープに導かれている」

ワーグナーの「イゾルデの愛の死」のあいだも涙は止まらず、終演後、夢遊病者のように新星堂へ向かった。シルヴァンの音を、CDで持ち帰りたかったからだ(こうなったら完全に恋)。

残念ながら彼のディスクはなかったので、かわりに貼っておく。


Franz Liszt – Consolation No. 3 – Sylvain Blassel …

やっぱり、私のパシオンは「恋」なのだと思う。

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